通信事業者の乗り換えをすると、通信事業者から発行された「キャリアメール」(サービスおよびアプリの総称としても使われますが、「〇〇@au.com」のような通信事業者から発行されたメールアドレスの総称の意味で今回は使用)が使えなくなる点が懸念されてきました。しかし、「auメール持ち運び」(*1)のように、キャリアメールを他社に引き継げるサービスが提供され始め、この問題点を解消できるようになっています。
なお、自社で通信設備(インフラ)を設置・維持している「移動体通信事業者」(MNO:Mobile Network Operator)が「キャリア」と呼ばれます。国内ではKDDI・NTTドコモ・SoftBank・楽天モバイルの4社を指すときに使う呼称です。ちなみに、4社ともキャリアメールのサービスを提供しています。
今回はキャリアメールの持ち運びサービスの基本情報をまとめました。参考にして、通信事業者の乗り換えをおこなってみてはいかがでしょうか。
目次
持ち運びサービスでキャリアメールを他の通信事業者へ移行が可能に!
キャリアメールの「持ち運びサービス」とは、スマホやケータイの契約時に通信事業者から交付されたキャリアメールを他の通信事業者に乗り換えたあとも使えるようにするサービスを指します。また、キャリアメールだけでなくメールボックスも引き継げるため、保存容量や件数に上限はありますが、基本的には過去のメールを見返せると考えて良いでしょう。au・docomo・SoftBank・楽天モバイル・Y!mobileなどからも有料で同様のサービスが提供されています。
なお、固定回線(光回線)を契約している方は、プロバイダーのドメインで発行されたメールアドレスを提供されている場合があるかもしれませんが、プロバイダーメール(*2)などと呼ばれてキャリアメールとは区別されています。また、格安スマホ・格安SIMを提供している「仮想移動体通信事業者」(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)の中には、プロバイダーメールを利用するなどして、キャリアメールと同様にメールアドレスを提供している通信事業者もあります。
持ち運びサービスのメリットと注意点
持ち運びサービスの特徴を詳しく見ていきましょう。持ち運びサービスのメリットと注意点を以下にまとめてみました。
持ち運びサービスのメリット
持ち運びサービスを利用すれば、他の通信事業者に乗り換えてもこれまでと同じキャリアメールが使えます。そのため、メールアドレスを変えたときに発生する、友人・知人に連絡して回る手間や各種サービスの登録情報を変更する手間の省略が可能です。
また、キャリアメール自体のメリットとして、安心感や信頼性の高さが挙げられます。キャリアメールのアドレスは迷惑メールとしてフィルタリングされる心配が少なく、メールが届きやすい点も特徴です。信頼性の高いメールアドレスを使い続けられるのは持ち運びサービスのメリットといえるでしょう。
持ち運びサービスの注意点
注意点として、手続きや費用が発生する点が挙げられます(*3)。キャリアメールを発行してもらった通信事業者に、契約解除後31日以内(*1)で持ち運びサービスの申し込みをするのが一般的なルールです。なかにはプラン変更時に申し込まないと持ち運びサービスが利用できない場合もあるので注意しましょう。
さらに、キャリアメールを発行してもらった通信事業者に毎月のオプション料金を支払う必要があります。また、自動転送機能など一部持ち運びができない機能(*3)の存在や、キャリアメールのアプリが利用できなくなる可能性などが注意喚起されています。通信事業者のホームページなどを確認して、事前に対策をしておきましょう。
移動体通信事業者4社の持ち運びサービスの概要
キャリアメールだけでなく、移動体通信事業者4社は持ち運びサービスも提供しています。4社それぞれでサービスの名称や申し込み方法に違いがあるため、概要を下記にまとめました。なお、詳細は移動体通信事業者それぞれのホームページなどで確認するのをおすすめします。
docomo
名称:ドコモメール持ち運び
月額使用料:税込330円
申し込み方法:専用サイトもしくは「My docomo」などのネットから可能
利用条件:
・回線解約の場合は解約後31日以内(ahamoへのプラン変更の場合、現在ドコモ回線を契約中である)
・回線契約に基づいて発行されたdアカウントIDを所持している
・回線契約名義が法人契約でない
au(*1)
月額利用料:税込330円/1メールアドレス
申し込み方法:専用サイトよりお申し込み(au回線契約にもとづき発行されたau IDでのログインが必要です)
利用条件:
・auの契約解除後31日以内(*4)に本サービスに申し込む
・au回線契約に基づいて発行されたau ID(*5)を持っている
SoftBank
名称:メールアドレス持ち運び
利用料金:年額料税込3,300円/月額料税込330円
申し込み方法:「My SoftBank」から可能
利用条件:
・回線の解約後、31日以内に申し込む
楽天モバイル
名称:楽メール持ち運び
月額料金:税込330円
申し込み方法:「my 楽天モバイル」から可能
利用条件:
・回線の解約後、31日以内に申し込む
- *1:参考「auメール持ち運び」(au)
- *4:2021年12月2日以降に解約されたお客さまが対象です。au回線解約から31日経過後はお申し込みできません。
- *5:au回線契約にもとづき発行されたau IDでお申し込みページへログインしてください。au IDを削除している場合はお申し込みできません。
費用をかけたくない場合はフリーメールへの移行も検討
紹介したとおり、持ち運びサービスでキャリアメールを使い続けるには費用が必要です。費用がかかるなら、他の方法を考えようとしている方もいるのではないでしょうか。それならば「フリーメール」で代用するのがいいかもしれません。
フリーメールとは、アカウントを作成すれば無料で使えるメールサービスの総称です。Googleが提供するGmailやYahoo!のYahoo!メールなど、すでに利用中の方もいるのではないでしょうか。のちほど紹介するとおり、キャリアメールでおこなった過去のやり取りをフリーメールに移行する方法もあります。乗り換えの後はキャリアメールのアプリが使えなくなる可能性があるため、乗り換え前に試してみましょう。
くわえて、フリーメールはWeb上にメールのアーカイブが残る仕組みです。そのため、再び通信事業者の乗り換えをしたとしても、フリーメールのアカウントにログインしなおせば移行作業をせずに過去のメールが見られる点がフリーメールのメリットといわれています。
ただし、持ち運びサービスなどでメールを引き継いでいない場合、乗り換え後に通信事業者を解約した時点でキャリアメールを廃止することになるため、以降はフリーメールのアドレスを使ってメールのやりとりをする必要があります。知人・友人への連絡先変更の連絡や各種サービスの登録情報の変更を忘れないようにしましょう。また、キャリアメールに比べると、送信したメールが相手の迷惑メールに振り分けられる可能性が高いと懸念されている点も認識しておきましょう。
キャリアメールでの過去のやり取りをフリーメールに移す方法
キャリアメールでやりとりした過去のメールをフリーメールに移す方法の概要を紹介します。今回はiPhoneを使ってGmailに移行する場合の方法をまとめてみました。他の場合は、メールアドレスを発行している会社のホームページなどで方法を確認して移行をおこないましょう。
iPhoneを使ってキャリアメールをGmailに移行する方法
(1)Gmailアプリをダウンロードする
App StoreからGmailのアプリをダウンロードしましょう。
(2)Gmailで使うGoogleアカウントを作成する
※既にGoogleアカウントをお持ちの方は(3)に進んでください。
Gmailアプリを開き、Googleアカウントを作成しましょう。「アカウントを作成」をタップし、アカウント名やパスワードを決めて画面を進みます。個人情報および再設定用のメールアドレスを入力し、規約に同意すればアカウントが作れます。
(3)iPhoneのメールアプリからGmailにログインする
「設定」アプリから、「メール」を開き「アカウント」に進みます。「アカウントを追加」で「Gmail」を選択し、許可を求められるので「続ける」をタップしましょう。
作成したGoogleアカウントのメールアドレスとパスワードを入力します。
(4)移行したいメールをキャリアメールからGmailへ移す
メールアプリからキャリアメールの受信ボックスを開き、画面右上にある「編集」をタップします。
するとメールが選択できるようになるので、移行したいメールにチェックを入れましょう。
選択を終えたら、画面下にある「移動」を押し、Gmailのフォルダをタップすればメールが移動します。
povo2.0なら基本料金0円からおトクに使える!
キャリアメールの持ち運びサービスは、乗り換え先がpovo2.0のようなオンライン専用ブランドでも利用できます。中でもpovo2.0は、基本料金0円(*6)(*7)(*8)で必要なだけのデータ通信量を購入してトッピング(有料)して使う仕組みです。他のオンライン専用ブランドや格安スマホ・格安SIMよりも自由な使い方ができます。
キャリアメールの持ち運びサービスで費用がかかる分、povo2.0でお得にスマホを利用してみてはいかがでしょうか。
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*6:180日間以上に渡って有料トッピングの購入などがない場合は、利用停止や契約解除となる場合があります。また同一名義で5回線(*)ご契約の場合、累計6回線目以降、税込3,850円/回線の契約事務手数料がかかります。
*過去1年以内に、解約済、当社によりキャンセルした回線も含む。データトッピングを購入しない場合、送受信最大128kbpsとなります。
参考:「povo2.0プラン詳細」(povo) -
*7:国内通話には税込22円/30秒で、SMS送信には税込3.3円/通(70文字まで)がかかります。衛星電話への通話など、一部通話料が異なる場合があります。詳細はこちら。
SMSの受信は無料です。機種により最大全角670文字まで送信可能です。ただし、134文字までは2通分、それ以降は67文字ごとに1通分の送信料がかかります。
参考:「povo2.0プラン詳細」(povo) - *8:オンライン専用のプランなので、お手続き・サポートはすべてオンラインとなります。povo2.0アプリや公式サイトからお問い合わせください。
povo2.0は、auの5G(*9)回線にくわえて、人口カバー率99.9%(*10)をほこるau 4G LTE回線も使用し、国内のさまざまな場所から通信が可能です。キャリアメールの持ち運びサービスを使って通信事業者の乗り換えを検討している方は、ぜひpovo2.0をご利用ください。
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*9:5Gは一部エリアでの提供です。詳しくは下記のサイトよりご確認ください。
参考:「対応エリア」(povo) - *10:「人口カバー率」は国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出しています。2020年12月末時点の情報を掲載しています。内容は変更になる可能性があります。対応機種は4G LTE(800MHz)対応機器となります。
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- ・iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPhoneの商標はアイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。App Storeは、Apple Inc.のサービスマークです。
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- ・SOFTBANKおよびSoftBankの名称、ロゴは日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。