データSIMとは、データ通信に特化し、通話ができないSIMのことです。
データ通信のみに機能を絞ることで利用料金を抑えられるので、データ容量の大きなプランを契約する方や、普段通話を利用しない方にとって大きなメリットといえるでしょう。
一方で、個人認証にSMSが使われるアプリ(LINEや各SNS)を使用したい場合は、SMS機能付きのデータSIMを購入しなければ、個人認証ができずアプリそのものが使えません。
このように購入前に知っておくべき選び方のポイントもあるため、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
データSIMとは?
そもそもSIMとはSubscriber Identity Moduleの略称で、契約者の識別番号や電話番号などの情報を記録している「加入者を識別する部品」を意味しており、カード型の「SIMカード」と端末本体に情報を書き込む「eSIM」の2種類があります。
また、利用できる機能によって「データSIM」「SMS機能付きデータSIM」「音声通話SIM」の3種類があります。
【機能別でのSIMの種類】(*1)
・データSIM:インターネットのみ利用可能
・SMS機能付きデータSIM:インターネット+SMS(ショートメール)が利用可能
・音声通話SIM:通話・インターネット・SMSが利用可能
上記のとおり、データSIMはモバイル回線を利用したデータ通信のみに特化したSIMです。
例えば、データSIMのSIMカードをスマホに入れておけば、Wi-Fi接続をせずにインターネットが利用できます。
ただし、データ通信に特化しており、音声通話やSMSは使うことができません。
そのほか、SIMカードにはサイズごとに以下の種類があり、利用する端末に合わせて最適なSIMを選ぶ必要があります。
SIMのサイズを間違えてしまうと、使うことができないため、契約をする前に端末に合うサイズを把握しておきましょう。
SIMカードの種類 | サイズ |
---|---|
標準SIM | 25×15mm |
microSIM | 15×12mm |
nanoSIM | 12.3×8.8mm |
SIMカードについて、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
データSIMと音声通話SIMとの違い
データSIMと音声通話SIMの違いは、以下のとおりです。
データSIM |
・モバイル回線を利用し、インターネットを利用できる ・電話回線を利用した音声通話は利用できない |
---|---|
音声通話SIM |
・電話回線を利用した音声通話が可能 ・データSIMでできることはすべて可能 |
データSIMのメリット
データSIMを利用するときのメリットは、下記の3点が挙げられます。
通話SIMと比べて料金が抑えやすい
契約するプランにもよりますが、データ通信に特化している(音声通話やSMSを使わない)ため利用料金を抑えられる傾向があるのが特徴です。
動画視聴やゲームなどを楽しむためにデータ容量の大きなプランが必要な方や、音声通話・SMSが不要な方はデータSIMが向いています。
また、音声通話を使うものの、電話回線を使用せずインターネット回線を利用する無料の音声通話アプリだけを使っている場合も、向いているといえるでしょう。
二台持ちで利用しやすい
サブ機(二台持ち)を利用するときにデータSIMは便利です。
音声通話・インターネット・SMSがすべて使える「音声通話」のSIMが入っているスマホを一台持ち、メール確認や動画視聴のためにデータ通信用の端末をもう一台持つのもおススメです。
例えば、外出先でデータSIMが入っているタブレットをお子さまが動画を視聴する際に使えば、音声通話のSIMが入っているスマホを差し出す必要はありません。
これにより、音声通話SIMが入っているスマホのデータ通信量を気にする心配も少なくなります。
もしくはスマホにデータSIMを入れて、テザリング機能でモバイルWi-Fiルーターの代わりにする使い方もあります。
テザリングとは、スマホのモバイル回線を使いパソコンやタブレットなどの別端末の通信を行う機能のことで、Wi-Fi環境が整わない場所でインターネットを使うときに便利です。
別途Wi-Fiルーターを用意すると、インターネットの利用料金はもちろん端末代金も必要ですが、使わなくなった古いスマホ(SIMに対応している機種)に、データSIMを入れてテザリング専用スマホを用意すれば、Wi-Fiルーターの端末代金が節約できます(*2)。
*2:テザリングは通信事業者によって無料・有料が分かれます。オプション加入や事前申し込みが必要な場合もあります。詳しくは利用予定の通信事業者のホームページで確認しましょう。
煩雑な手続きは不要
データSIMのメリットとして、煩雑な手続きが不要な点も挙げられます。
各通信事業者によって、手順に違いはあるものの、おおむね以下のような流れでデータSIMの申し込みや手続きを進められます。
1. お好みのデータ通信容量を選ぶ
2. 端末を選ぶ(データSIMの契約と同時に端末の購入も検討している場合のみ)
3. SIMカードのサイズを選ぶ
4. 追加したいオプションを選ぶ
5. 申し込み時に必要な本人確認書類を用意する
6. 申し込み完了後に手元に届くSIMカードを端末に挿入し初期設定を開始する
なお上記は、データSIMを利用する場合の基本的な流れになり、音声通話SIMを利用する場合は、別途MNP予約番号が必要なケースもあります。
MNPとは、モバイルナンバーポータビリティの略であり、音声通話SIMを利用していて通信事業者を変更したい時に、お使いの電話番号をそのまま継続して利用できる仕組みのことです。
いずれも通信事業者の申し込み画面に沿って進めていけば、難しさはなく、煩雑な手続きも不要です。
また、申し込みやデータSIMの初期設定に関して、通信事業者によっては、「よくあるご質問ページ」が用意されていたり、「チャットサポート」が充実していたりと、初めての方でも安心です。
通信事業者ごとに用意されたサポートを十分に確認の上で、申し込みや手続きを進めてみてください。
データSIMのデメリット
データSIMにはデメリットとして懸念されている点もあります。注意事項を下記にまとめましたので、契約前に確認してリスクを認識しておきましょう。
音声通話(電話番号)が使えない
データSIMはデータ通信に特化しているため、音声通話ができない点に注意が必要です。
具体的にいうと、090・080・070から始まる電話番号を使った音声通話が利用できないほか、110番や119番などの緊急通報も利用できません。
■対処法
インターネット回線を利用して音声通話を行うLINEのような通話アプリを使い、デメリットを回避する方法があります(ただし、データSIMではSMS認証を行えずLINEの初期設定ができないので、SMS付きのデータSIMを用意するか、LINEの使える端末の用意が必要)。
電話回線での音声通話に比べれば品質は劣る点が懸念されてはいますが、通話料がかからないため、すでに利用している方も多いでしょう。
また、IP電話を活用できるデータSIMを選ぶ方法もあります。IP電話とは一般的に、050から始まる電話番号を利用したインターネット音声通信サービスのことです。
IP電話の場合は、電話番号との発信や着信が可能で、スマホや携帯電話だけでなく固定電話にも発信ができます。
LINEのような通話アプリ(050から始まる番号を取得できないIP電話を利用して音声通話を行う)の場合は、一般的には相手も同じアプリを使っていないと音声通話はできません。
なおIP電話は、データSIMであっても通話料が必要であったり、発信できない番号(110・119などの緊急連絡、0120のフリーダイヤル、0570のナビダイヤルなど)があったりする点に注意が必要です。
詳しくは利用する通信事業者のホームページで確認しましょう。
SMSが使えない(SMS認証も不可)
SMSは電話番号を利用して短文のメッセージを送り合う仕組みで、契約内容に電話番号を含んでいないデータSIMでは、SMSも利用できません。
LINEやSNSなどのアプリで個人認証にSMSが使われる場合(SMS認証)があり、データSIMでは利用できないため注意が必要です。
■対処法
追加料金を支払いSMSが利用できるオプションに加入するか、SMSが利用できる「データ+SMS」のSIMを選択することで対処することはできます。
MNPでの契約ができない
「煩雑な手続きは不要」の章でも紹介しましたが、MNPは音声通話SIMでしか対応していません。
つまり、MNPを利用したい場合はデータSIMを選ぶことはできず、必然的に音声通話SIMを選ぶことになります。
自分に合ったデータSIMの選び方を紹介
データSIMのメリットやデメリットを理解した上で、選び方のポイントを解説していきます。
通信速度で選ぶ
通信速度は、「bps(bit per second)」という単位で表し、数値が大きくなるほど1秒間にやりとりできるデータ量も増え、快適にインターネットを楽しめます。
この情報だけ考えると、通信速度が速いデータSIMのプランを選べば良いのですが、基本的に最大通信速度でプランを選択すると、その分利用料金も高くなる傾向にあります。
そのため、普段の使い方に応じて通信速度の目安を知ることが大切です。
例えば、YouTubeの公式ホームページには動画視聴において最低でも「500kbps以上のインターネット接続」が必要と記載されています。
基本的には、メールやLINEの送受信に加えて、Webサイトの閲覧を目的にする場合は、「1Mbps以上」あれば滞りのないインターネット接続を保てるでしょう。
自分に合った通信速度の目安をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考「インターネットの回線速度の目安は?遅い時の改善方法も併せて解説!」(povo)
データ容量で選ぶ
データSIMの料金プランは、利用するデータ容量が多いほど高くなりやすい傾向にあります。
例えば、「1GB:1,000円」「5GB:2,000円」といった具合に、値段が上がります。
まずは、自分がどの程度データ容量を使うのかを知るところからスタートしましょう。
あくまで目安ですが、1GBのデータ容量の場合、「Webページの閲覧は約6,600回」「YouTubeの動画視聴はHD高画質で約30分」となります。
自分に合ったデータ容量の目安をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
参考「データ容量とは?容量の目安や適した料金プランの選び方を解説!」(povo)
料金で選ぶ
データSIMは、音声通話SIMと比べて、利用できるデータが大容量で通信速度が速いプランであっても、料金を抑えられる傾向にあります。
そのため、ご自身が毎月どのくらい料金をかけても良いのかという予算から、検討してみるのもおススメです。
予算ありきで検討し、利用できるデータ容量や通信速度に問題がなければ、スムーズにプランを決定できます。
一方で、予算と比べてデータ容量や通信速度が不足するのであれば、その上の料金プランから検討すれば問題ありません。
端末に合ったデータSIMで選ぶ
お使いの端末が検討中のデータSIMのサイズに合わない場合もあります。
「miniSIM」「microSIM」「nanoSIM」のどのサイズに対応しているのか事前に確認しておきましょう。
現在主流のSIMカードは、「nanoSIM」です。
なお、検討中のデータSIMがお使いの端末に合わない場合は、サイズが合うデータSIMを探すか、端末そのものを買い替える必要があります。
詳しくは、通信事業者の公式ホームページをご確認ください。
サポートの有無で選ぶ
通信事業者によっては、データSIMの契約時に不安な点をサポートしてもらえるオンラインチャットや、SIMカードの受け取りに対応している店舗窓口など、充実したサポートが用意されています。
「安くデータSIMを購入したのは良いけれど、サポートが充実していなかった」ということがないように、サポート内容にも着目してみましょう。
povo2.0なら基本料金0円!自由にデータをトッピング
本記事を通して、ご自身の使い方に合わせたデータ容量や通信速度など、自分だけのオリジナルプランが叶えられるデータSIMをお探しではありませんか?
そのような方には、プランを自分でカスタマイズできる「povo2.0」がおススメです。
povo2.0は、基本料金0円(*3)(*4)(*5)で利用可能であり、好きなデータ容量をトッピング(有料)で追加できます。
povo2.0では、データSIMの提供はありませんが、通話やSMSが不要でデータ通信に特化したデータSIMのような使い方がしたい場合、「データ使い放題(*6)(24時間)」(税込330円/回)や「データ追加20GB(30日間)」(*7)(税込2,700円/回)などのトッピングがおススメです。
特別な申し込みも不要で、使った分だけの費用(*4)を払えば、国内通話やSMSが利用できる点はpovo2.0の特長です。
povo2.0では、auの5G(*8)回線に加えて、人口カバー率99.99%(*9)を誇るau 4G LTE回線も使用しています。
国内の様々な場所から通信可能ですので、ご自身に合ったデータSIMを探している方は、ぜひpovo2.0をご検討ください。
*3:180日間以上にわたって有料トッピングの購入などがない場合は、利用停止や契約解除となる場合があります。また同一名義で5回線(*)ご契約の場合、累計6回線目以降、税込3,850円/回線の契約事務手数料がかかります。
*過去1年以内に、解約済、当社によりキャンセルした回線も含む。データトッピングを購入しない場合、送受信最大128kbpsとなります。
参考「povo2.0 料金プラン詳細」(povo)
*4:国内通話には税込22円/30秒で、SMS送信には税込3.3円/通(70文字まで)がかかります。衛星電話への通話など、一部通話料が異なる場合があります。詳細はこちら。
SMSの受信は無料です。機種により最大全角670文字まで送信可能です。ただし、134文字までは2通分、それ以降は67文字ごとに1通分の送信料がかかります。
参考「povo2.0 料金プラン詳細」(povo)
*5:オンライン専用のプランなので、お手続き・サポートはすべてオンラインとなります。povo2.0アプリや公式サイトからお問い合わせください。
*6:ネットワークの混雑時や動画・クラウドゲームなどの利用時に通信速度を制限する場合があります。
*7:参考「データ追加20GB(30日間)」(povo)
*8:5Gは一部エリアでの提供です。詳しくは下記のサイトよりご確認ください。
参考「対応エリア」(povo)
*9:「人口カバー率」は国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出しています。2020年12月末時点の情報を掲載しています。内容は変更になる可能性があります。対応機種は4G LTE(800MHz)対応機器となります。
※本記事に掲載されている商品またはサービス等の名称は、各社の商標または登録商標です。
・「au」はKDDI株式会社の登録商標です。
・「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。